コンプレックス
誰にでもコンプレックスはある。
「コンプレックス」とは、ユングの言葉です。何らかの感情の結びついている、無意識の中の心的内容の集まり(観念複合体)で、人間の態度や行動、感情などに強い影響力を持ちます。またコンプレックスは、その中核に心的外傷を負っている場合も多く見られます。いわゆるトラウマといわれるものですが、憎悪、嫉妬、嫌悪、恐怖、劣等感などの感情を伴います。
人間は、誰でもコンプレックスを持っています。たとえば出世したい!金持ちになりたいという欲求の裏には、何らかのコンプレックスがあると考えられます。本人が押し潰されない程度のコンプレックスであれば、むしろ何らかを成し遂げるバネになります。(俗にいうハングリー精神ですね。)
しかし、過剰なコンプレックスは意識的自我を圧迫したり、成長を妨げたり、場合によっては神経症の一因になることもあります。ここまでくると心理療法によって、その原因となっているコンプレックスを見つけ出し、本人がそれを受け止めて、乗り越えていくことが必要になります。
そもそもコンプレックスというと日本語では劣等感という意味で使われますが、英語では元来、劣等感(inferior complex) にも優越感(superior complex)にも共に使われている言葉であり、語源上は複雑なものを指して使います。それからも分かるとおり、実は劣等感も優越感も元は同じ根から出ているのです。だから、ある時は人と比べて優越感に浸りいい気持ちになっていたとしても、いつそれが劣等感に変わるかわかりません。どちらも本当は紙一重、この両方から解放されなければ、本当の意味で自由な、自信のある生き方はできないのです。
あらゆることが私達のコンプレックスの原因になり得ます。そして私達は普通、これは持って生まれたものだから仕方ないとあきらめていることが多いのですが、でも本当にそうなのでしょうか?生まれたばかりの赤ちゃんが「自分は何て小さいんだ」と思い悩んだりするでしょうか?
コンプレックスは生まれつき持っているものでもなければ、誰か他の人から押しつけられたものでもありません。それは私達が自分で作り上げて来たものであり、作ってきたものならばそれを打ち砕くこともできるのです。そこには発想の転換が必要です。
しかし長年かけて培われた常識や固定観念や自己認識は自身だけの力で変えるのは、容易ではありません。脅迫観念に駆られるほどの状況にある場合、第三者を通して自分を見つめなおす作業が必要と考えられます。
コンプレックスが皆無というのもある意味問題があるのかもしれませんが、過度なコンプレックスは精神安定や健康を阻害する恐れがあります。
もしかしたらとお思いの方はお気軽にカウンセリングを受けられることをおすすめします。
